パリと女2人旅とプティング#1

378135_187399408021650_278149240_n

旅行の想い出は時間が経つごとに色がついて、かたちを変えて記憶に残ってしまうものだから、忘れないうちに記しておこうと思う。

パリに行ったのは、今からちょうど5年くらい前のことだった。なぜパリに行こうと思ったのか、はっきりは覚えていない。美味しいワインをたらふく飲みたい、とか、シャンゼリゼ通りで「お~シャンゼリゼ~」と口ずさみたい、とか、どうせそんな理由だったと思う。

それは、私の初めての女2人旅だった。とっておきの映画やずっと行きたかった美術館は1人で見に行きたいように、私は旅行も1人で行くのが一番だと思っている。

何かを人と一緒に見たら感想を言わなければいけない。感情を言葉にすると途端に違うものになって自分自身が戸惑うし、時間をたっぷり使ってかみしめたい感情だってある。何より、好きなときに行きたい場所に迷わず行けないことほど不自由なことはないと思っていた。

376260_187400688021522_185246809_n

人と旅行をするのが好きな人たちが、他人と時間を共有することでさらに出来事が輝くように感じるのは、何となく想像できる。美しい景色を誰かと「きれいだね」と言えること、旅の終わりに「あのときの○○は○○だったね」と言えることは、きっと素敵なことだ。

けれど、それは日本の中の旅行で十分だった。誰も私のことを知らない言葉が聞こえる土地で、1人ぼっちのときだけに、考えられることがある。本当に大切にしたいものや、知りたくなかった自分のこと。これまでのこととか、これからのこと。

388017_187399771354947_1014947334_n

それにも関わらず、1週間以上もの間他人と海外を旅行しようと思ったのは、その相手が、その人だったからだ。多分ルーブル美術館を出て、「うん。ルーブル美術館だったね」と言っても許してくれるし、数週間前から決めていた行先を、当日になって「ごめん。そんな気分じゃななくなっちゃったの」と言っても笑ってくれる気がした。

***

想像していた通り、パリは美しい街だった。

地下鉄の構内では音楽家たちが楽しそうな音を鳴らしていて、街行く人たちはお洒落だったし、ショーウィンドウに並ぶお菓子はびっくりするほど可愛いらしかった。

381068_187401154688142_707452055_n

けれど、やっぱりヨーロッパという場所は、自分が黄色人種のアジア人だということを思い知らされる場所だと思った。

どんなに高いハイヒールを履いてもフランス人の背の高さにはかなわないし、それらしくお洒落をしてもフランスのカフェには馴染まない。

けれど、2人でいても海外で孤独を感じられることは、良いことだと思った。ワイキキビーチをを歩くそれとは違って、良い緊張感と寂しさが妙に心地良かった。

=====
名前:梅野なぎさ
プロフィール
twitter:@Makani_n
mail:bonin.makani@gmail.com
=====

The following two tabs change content below.
梅野 なぎさ

梅野 なぎさ

’91生まれ。2017年よりインドネシアで働いています。 【Mail】bonin.makani@gmail.com
梅野 なぎさ

最新記事 by 梅野 なぎさ (全て見る)